辻斬り暑中お見舞いSS@不法投棄

しおりんの夏、日本の夏

written byかっち〜愛の狩人〜






「祐一さん、海ですよっ!」

確かに目の前に広がる遠大な水溜りは山には見えまい。

「こんな広い海、金曜ロードショーの『釣りバカ日誌』でしか見た事ありませんでしたー」

 なかなかに親父臭いものを見ている少女である。
 おっと、言い忘れていた。俺の名は相沢祐一。ハンサム星人だ。
 そして今俺の傍らに寄り添っている少女が、美坂栞。
 考えたくはないが、この俺のボニータだったりする。無論、裸でおいでおいでカマ〜ンとはやってくれない。

「これだけ広いと、叫びたくなりますねー」
「好きなだけ叫べよ。どうせ誰も口出し出来ん」
「解りました!」

 そう言うと栞はすぅっ、と夏の息吹を胸一杯に吸い込み――

バルスッ!

 滅びの言葉を紡いだ。
 その叫び声に呼応して、何やら向こうの空に浮かんでいた天空の城が崩壊して上昇し始めた姿が見えるが、ただの目の錯覚だろう。

「やっぱり広いですねー」

 太古の超科学文明の城を滅ぼしたと言うのに、栞は全く気にしていない。なので、俺も頭の中からその光景を消し去る事にした。
 …………よし、デリート完了。

「祐一〜」

 何処からか寝惚けたような声。何事かと周囲を窺うと、こちらに走り寄ってくる女の子の姿。
 従妹の水瀬名雪だった。
 そして、彼女に伴って灼熱の砂浜を跳ねるように駆ける、幾人かの少女。

「おう、着替え終わったか」

 手を上げて迎えると、間もなく少女達は俺の周りに集まって来た。
 そう、本日の俺達は海水浴に来ているのだった。面子は俺、栞&香里の姉妹、あゆ&真琴&名雪の水瀬シスターズ、真琴に誘われた天野、そして保護者の秋子さん。まあ、順当なメンバーだ。
 因みに舞と佐祐理さんの大学生コンビは、現在期間内試験中。合掌。

「祐一君、海だよ! 海だよ!」
「そうだなあゆあゆ、膿だな」
「うぐぅ……字が違う……」

 唸るあゆの姿は、小学生らしい何の飾り気もないワンピースの水着。そしてその傍らの真琴も、これまた体型にぴったりのフリル付きのものだ。
 まあ、こいつらに色気は期待していない。
 天野はと言うと、まあごく普通の水着。可もなく不可もなし、天野らしいと言えばそうなのかも知れない。
 対する名雪はさすが陸上部の部長さん、スポーティーなセパレート。普段から走り込んでいるだけあって、すらりと伸びた四肢には無駄な贅肉は付いていない。
 そして香里は、色気むんむん、情熱の赤いビキニだ。何と言うか、妹と同じものを食っているはずなのにどうしてこうまで、と思うほど胸がでかい。
 さすがだドッポッッ!
 おっと、生霊が取り憑いてしまった。お祓いお祓い。
 最後は、大御所の秋子夫人…………説明は控えさせて頂きます(爆)
 そこまで見て、恋人の方をまじまじと見る。
 …………胸がないな。

「祐一さん、今とっても失礼な事を考えませんでしたか?」
「いや、起伏の乏しい肉体だなぁ、と」

ばしゅぅぅぅぅっ!

 俺の頬を、栞のビームライフルの光条が掠めた。

「祐一さん」
「はい」
「あなたごとき卑しい輩は、私の傍にいられるだけ有難いと思って下さい」
「く……暴力を笠に着たバニラ膨れめ……!」


 早速視殺戦を繰り広げる恋人達。

「ね〜祐一〜」
「何だ狐」
「早く泳ごうよ〜」

 間に入って来た殺村凶子のおかげで何とか俺と栞の最終決戦は免れたようだ。俺と栞が頷くと、待ってましたとばかに精神年齢が低いあゆと真琴と名雪が散り散りになって行く。

「あらあら、準備運動はしなきゃ駄目よ〜」

 のほほんと言い、秋子さんは香里と共にビーチパラソルの下へ。
 残った俺と栞、天野。

「準備運動ってどうやるんですか、祐一さん」
「何だ、栞は知らないのか?」
「はい。なにぶん初めてなものですから」

 頬を赤らめ、恥じらいを露にする栞。うむ、可愛らしい。が、これが奴の狡猾な面なのだと、恋人の俺には既知の事実だった。

「栞さん、私がお教えしましょう」

 相も変わらず言動が老成している天野が名乗りを上げた。準備体操なんて他人が教えるものではないのだが、まあ良いだろう。

「はい、お願いします」

 ぐ! と両手を握り締める栞。
 そして、こくんと頷き、天野は口を開いた。

「まずは、全身をトップと胴体、左右上腕部・下腕部、左右大腿部・脚部に分離させます。その後、索敵した目標を胴体と左右の下腕部で囲むように捕縛し、機体データを解析します。然る後に全パーツによる全方位一斉砲撃を加え、最後にもう一度ドッキングをしてパイロットのカットインを出し、右溶断破砕マニピュレーターと両脚底部の対艦メガ粒子砲を最大出力で放てば準備体操は終了です」
「ちょっと待たんかコラっ!」
「何ですか相沢さん。騒々しい」
「誰がブラディ・シージをやらせろと言った!? ……ってお前もやろうとするんじゃないっ!」

 見ると、栞は本当に分離しようと必死に左腕を引っ張っていた。

「えぅ〜、抜けません〜」
「すんなっ!」

 取り敢えず栞に拳骨を落とし、天野には効く、否、効き過ぎる逆水平チョップをかます。

「頼むからまともに泳ごうぜまともに」
「う〜ん、そうですね」

 人差し指を口に当てて思考する栞。この娘の癖らしい。
 と、今までパラソルの影で座っていた秋子さんがこちらへ来た。相変わらずほのぼのとした雰囲気でお決まりの左手を頬に当てるポーズを取っている。

「祐一さん、気を付けて下さいね。ここら辺の海にはたまに「シン」が出ますから」
「シン?」
「あなたのお父様が前のシンを倒したあと、自身もシンになってしまったんです。そして、あなたに殺してもらう為に現れる。その結果、何人もの人が死んでしまいますが」
「俺に会う為にそんなに人を殺すって言うんですか!?」
「シンとはそう言うものです」


 何やら会話が噛み合っていないような気がするが、そこらは端折ろう。
 砂浜にダウンしている天野を埋めてから、俺達は青い海へと走って行く。



「混んでますね〜」
「そりゃシーズン真っ盛りだからな」

 波打ち際に立って、眼前の景色を見渡す。視界一杯に、点在する人の姿。まるでゴミのようだ。老若男女、夫婦、恋人、兄弟、姉妹。バリエーション豊かな光景だ。

「これじゃ満足に泳げませんね」
「しょうがないさ、みんな考える事は同じなんだから」
「えぅ〜……こうなったら!」

 栞は唐突に海に向かって、手をぱんぱんと叩き合わせた。そして両の手の平を合わせて眼前に据え、瞳を閉じる。

「……何やってんだ?」
「お祈りです。海神様に、人がまばらになりますようにって」

 変な所で信心深いが、そんな子供らしい一面を見せてくれる栞は可愛かった。くす、と笑い、そのまま愛すべき少女を見守っている事にする。
 黙祷が数十秒ほど続き、そして栞は瞳を開いた。そして両手を合わせたまま指先を遠大な海に向け――

「アルドレーザー、照射っ!」

 栞の手首から四筋のガイドレーザーが放たれ、それに導かれて彼女の指先から絶望的なまでの力の本流が放出された。超高熱の波涛は瞬時に空間を薙ぎ払い、楽しそうに泳いでいたカップルや幼いながらも対抗心を燃やし競泳していた兄弟、そして海底でブリッツボールに興じていた十数人の屈強な男達とその他大勢を原子レベルまで還元させ、蒸発させた。
 余談だが、彼らが光熱の奔流に自身の意識を消滅させるその最期の瞬間に思った事が「これが星の屑か」だったらしい。
 モーゼの十戒さながら海を割り、光の筋が沖に浮かんでいる島を日本地図上から消し去った時、ようやく世界を覆わんとばかりに顕示していた光は消え去った。

「ふう、だいぶ人がいなくなりましたね〜」
「ちょっと待てやオイっ!」
「どうしました祐一さん」
「海神にお祈りって話は何処にぶっ飛んだ!?」
「…………」
「…………」
「祐一さん」
「何だよ」
「祐一さんのザナルカンドは、きっと何処かにあると思うんです」
「誤魔化すなっ!」

 甘かった。こいつは「あの」しおりんだったんだ。自分の目的の為なら焔の災厄ロードブレイザーにすら単身で喧嘩を売る少女、それが超機動暴発氷菓子娘しおりんだ。
 元より彼女にまともな思考回路を求めていた俺の敗因か。

「ちょっと水位が低くなっちゃいましたけど、良いですよね?」
「お前のせいだお前のっ! 無駄に人口を減らすな!」
「楽しみです〜、祐一さんと二人きりの海水浴♪」

 俺としては明日の朝刊の一面が非常に気にかかるが。
 ともあれ(良いのか?)、俺は栞の手を引いて海に入った。



 海面に仰向けに身をたゆたえれば、視界には一杯の蒼穹。雲一つない、抜けるような青空。そして全世界の若人を祝福するかのように燦々と照っている太陽。時折吹く風が日差しを受けた身体に染み入るように心地良い。日本の夏、そんな言葉が実感を持って頭の中を過ぎ去る。
 目の端で横を窺うと、寄り添うようにして泳いでいる恋人の笑顔。

「……なあ栞」
「はい?」
「お前って、海水浴初めてなんだよな」
「そうです。病気っていう事で水場から遠ざけられてましたから」
「じゃあ何で教えてもいないのに平泳ぎ出来るんだ?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「がぼがぼっ! 溺れてしまいますっ! 誰か助けてっ!」
「白々しいわ馬鹿たれがぁ!」


 ぼか、と一発殴っておく。

「えぅ〜、痛いです」
「実はお前、海に来た事あるんじゃないのか?」
「ありませんよ〜」
「じゃあ何で泳げるんだ?」
「それはですね……あれです!」

 声高らかに水中から腕を引き出し、あらぬ中空を指差す。その指し示す方向に首を向けると、何やら蒼空のキャンバスに一点だけ落とされたインクのようにぼつんと、黒い小さな物体が見えた。いや、小さいのではない。遥か彼方にあるからそう見えるだけで、実際は巨大なものなのであろう。
 何故あのようなものが天空に、と考えるより先に栞が口を開いた。

「あれは半物質形成器と言って、人の想念を現実にする機械なんです」
「黒き月かあれはっ!」


 ほっといたらあしきゆめなんて出現するんじゃあるまいな。
 HEROは何処だHEROは?

「何でもありですー」
「はあ……もうどうでも良い」

 解ってたさ最初から。お前が既知外だったなんてな。
 栞を恋人にした自分の選択は果たして世界にとって有為なものだったのか、今一度深く考えてみる必要が多分にありそうである。



「祐一君! 祐一君!」

 いい加減泳ぎ疲れたので浜辺に上がると、間もなくうぐぅが寄って来た。因みに栞は現在、もんがーとトドの鋼鉄郎と張り合って時速30ノットのスピードで競泳している。

「どした、そんなに血相を変えて」
「今さっき、真琴ちゃんと潮干狩りしてたんだよ!」
「シーズン真っ盛りに潮干狩りしてもろくなもん獲れんだろに」
「それが、すっごい貝が出て来たんだよ!」

 子供らしい輝いた瞳を向け、嬉々としてあゆは語る。それを見てしまえば、多少なりとも興味が湧いた。通常、潮干狩りで獲得出来るものと言えばアサリ、シジミ、そんな所だろう。キャッチアンドリリースの対象にもならない小物だ。しかしこのあゆあゆの喜びようと言ったら、もっと上位ランクの貝が出て来た事を期待させる。
 シャコ、或いはサザエ。いずれにしろ、高価なものではある。

「どら、どんなものが出て来た? 見せてみー、大概の事には驚かないから」
「うぐぅ、あれだよっ!」

 びしっ、と彼方を指差すうぐぅ。
 そこには全長20M超の巨大な人型が屹立していた。

「……何だ、あれ」
百式貝だよっ!」

 確かにあの金色のカラーリングに、第三段階のフリーザのような特徴的な後頭部には見覚えがあった。おまけにパルスレーザー砲とメガロングバスターも装備されている。疑うべくもなくあれは百式の後継機だろう。

「真琴ちゃんなんて、バハムート貝を掘り出したんだよっ!」

 どうやらこの海岸はマウンテンサイクルだったらしい。
 筆者も近所の公園の砂場から「ち〜び〜戦士・灼熱騎士F91」を発掘した事があるからな。
 取り敢えず、うぐうぐ五月蝿いあゆあゆを首から下を砂浜に埋めて、俺は一路秋子さんのいるパラソルに向かう。



 栞も戻って来て、二人でランチタイム。他の人間は既に食事を済ませていたらしく、俺達が一番最後だったらしい。あゆあゆは未だ生き埋め、真琴はとうとう紫電貝まで掘り出し、香里は現在ルビーワンドを振り回しながら優雅に水面を歩行中。どうやら異界送りを頼まれたらしい。天野は砂浜にフランス書院に比べて何ら遜色ないほどの卑猥な文章を書き殴り、周囲の若い男衆を前屈みにさせていた。秋子さんは気を使って俺達二人っきりにしてくれている。が、俺は知っている。その秋子さんの優しさの裏に隠された、このパラソルの根元に埋められている盗聴器を。
 なのでこのパラソルの日陰には、恋人達が二人。いつ間違いを犯しても不思議ではない。もっとも、こと相手が栞に関しては被るリスクが大き過ぎるので俺は自粛しているが。
 と――ふと隣の栞のか細い一の腕に視線が行く。

「栞、それ痣か?」

 見ると、彼女の左腕に何やら正方形の印のようなものが窺える。ぱっと見、BCGの痕のようだったが、改めて剋目すると、どうやらそれは文字に見えた。

「あ、これですか?」

 そう言って栞はその一の腕を俺に向ける。顔を近付けて、白い柔肌を食い入るように見つめた。
 ――「崩」、それに「砕」と読める。

「二匹ほど取り込んでやりました。残りの六匹は性格悪くて遠慮が無いですけど」

 どうやら彼女の実家は火影忍軍だったらしい。サテライトキャノンが無くてもこいつはナチュラルに俺を灰に出来るほどの戦闘力を有しているようだった。
 いい加減この少女と付き合う事に薄ら寒さを感じ始めた時――

『はいはい、そこの少年少女! そっちは危ないからもっと広い所で泳ぎなよ!』

 聞き覚えのある声。何だろう、と俺は周囲を見回した。
 浜辺に立てられた急ごしらえの監視塔。その上に、声の主はいた。色素の薄い髪に、まるでピピピ電波を受信出来そうなアンテナを伸ばしている高校生くらいの少年。
 聞き覚えがあるはずだ、まさしくそいつはクラスメートの北川潤だった。
 ち、今回は出番が無いと思ったのに。

「あれ、北川さんですか?」
「みたいだな。そう言やあいつ、夏休みには海水浴場でライフキーパーのバイトするって休み前からしきりに言ってたな」
「……祐一さん」
「ん? どした?」
「私は北川さんがあんなにカルチャーな姿を見た事がありません」
「…………デカルチャ」


 やはりここでも北川はぞんざいな扱いだった。
 一声くらい掛けてやろうかなと仏心が湧いた刹那――

「きゃああああっ!」

 絹を裂くような叫び声。その響きに導かれるように誰何すると、沖の方で必死にもがいている少女の姿を発見。足がつったのか、沈んだり浮き上がったりを繰り返して、時折思い出したように手を振って見せる。
 これまた見知った顔。

「おい、あれ香里じゃないのか!?」
「あー、お姉ちゃんですねー」
「ですねーじゃない! ヤバイだろあれはっ!」
「騙されてはいけませんよ祐一さん」
「何?」

 余裕綽々とした涼しげな表情で栞はデザートのバニラアイスを頬張っている。因みに今回の彼女の食事のメニューは主食がナノマシンアイス、副食が痛いペパーミントアイス、飲み物がジューシーアイスだった。はっきり言って、俺が食卓にこんなものを出されたら妥協の余地無く死ねる。

「お姉ちゃんはああやって溺れた振りをして祐一さんに助けてもらうのを待っているんです。助けに行ったら最後、大王イカの如く食らい付いたら離しませんよ。食らい付いたら、ね。色んな意味でね……フ……フフフ……フフフフ……」

 妖しげな暗い光が栞の瞳に灯り始め、彼女の背後から悪しきオーラ力が立ち昇る。この時、心底俺は思った。
 別れてぇ。

「あ、ほら見てて下さい。北川さんがお姉ちゃんを助けに行きましたよ」

 マイクロウェーブ送信施設から無限のエネルギーを供給したかの如く、北川がここぞとばかりに力強く香里の元へ泳ぎ出した。あいつも報われない恋とは言え、良くやるものだ。それが生まれ持った使命なのだと言わんばかりにもがいている香里の傍らに行き着いた北川。
 刹那――

「第一の地獄、カイーナ!」

 鬼神の如き形相で香里が左腕を振るい、北川の頭を掌握する。そのまま掴みながら水上を走行し、暫くダメージを与えた所で腕を振り抜いた。しかもブラックデスクロス仕様だった。

「解りましたか祐一さん。お姉ちゃんの演技だって」
「……身に染みたよ変態姉妹」

 どっと疲れが出た。




 そんなこんなで、日も傾き始めた頃合い。
 燃え盛るような落日が世界を茜色に染め上げて、意味も無く世界の終末と言う単語を連想させる景色だった。そのままパノラマ写真にして心のアルバムに永遠に残しておきたい、そんなワンシーン。それでもいつかは終わりが来る訳で、俺達の一夏のバカンスももはや閉幕が近付いて来た。

「今日は楽しかったですー」

 栞はご機嫌だった。
 反面、名雪は浮かない顔。

「……台詞が一つしか無かったよ……」

 だそうだ。
 そして真琴は、

「あう〜♪ 貝ラスギリー(小説版∀仕様)まで見つかったわよぅ♪」

 どうやらずっとレアな貝を掘っていたらしい。道理で周囲には幾つもの巨大人型兵器が乱立している訳だ。
 天野と言えば、

「姉御! 是非また来て下さい! 新作、楽しみにしておりやす!」
「解りました。次回はセーラー服で教師と生徒ものです」

 砂浜に書いた官能小説のファンクラブが出来たらしく、ちょっとした親衛隊だった。
 そしてあゆあゆは、

「うぐぅ〜、出して〜」

 まだ首から下を埋められて潮の満ち引きの脅威に晒されている。
 更に香里、

「全く、何を勘違いしてんのかしらあの男。私は相沢君一本槍だって事、行動見ていれば解るでしょうに」

 恐らく北川の事を言っているのであろうが、その物言いにはいささかの慈悲も容赦も無かった。

「あらあら、皆さん楽しそうで良かったですね」

 最初から最後までのんびりと過ごしていた秋子さん。無論、パラソル下の盗聴器は粉砕しておいた。
 まあ多少のトラブルはあったけれども、各々楽しめて良かったと思う。今年は俺達は大学受験だからな、高校生活で最後の遊べる夏と言う訳だ。
 また大学に入って最初の夏、ここに来れたら良いと思う。
 その時は、勿論――

「祐一さんと私と赤ちゃんの三人でですね♪」
「黙らんか」


 結局、この娘と俺は何の進歩もしていないのだった。

「さあ皆さん、帰りましょう」
『は〜い』

 明日からは、また何気ない日常が始まる。
 何も変わらない、時が過ぎ行くだけの毎日。
 でも、それは素晴らしい事かも知れない。
 
 だから今日は、両手一杯の幸せを。





















「うぐぅ……ボクの事、忘れないで下さい……(涙)」


















終幕




後書き

ふ……テストで失敗したかっちです(涙)
その悔しさをバネに、学校の情報処理室で仕上げました今作。
しおりん外伝だったりして。今更ながら。
しかし例によって読む人が限られているSS。
特にFFXなんて持ってないのにネタ入れてんじゃね〜よ。
これ以上何を言ってもルーズドッグのファーハウリング(負け犬の遠吠え)。
敗者は黙して語らず。

しかし……これだけは言わせて頂きたい。
春奈っちX舞編執筆中!(爆)
さあ、この作品を受け取る勇気ある方は何れや?

ばいばい〜♪


感想

しょっぱなから滅びの呪文とは・・・(笑)

てか大爆笑しました、やはり超機動暴発氷菓子娘はこうでなくては(爆)

FFXですかぁ・・・欲しいなぁ(笑)。

でもぴーえす2持ってなかったり(死)

ネタ満載で笑い転げました(笑)。

僕としては、次は鉄甲機ミカヅキのネタが入ってると嬉しいなあ、と。(知ってない人ごめんちゃい(爆)

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