バカップルの会話







 「あゆ。そんなにひっつくなって」

 「うぐぅ、だって……」

 「大丈夫だって。そうそう前みたいな事にはならないから」

 「うぐぅ……わかんないよ」

 あゆは俺の腕をがっちりと掴みながら……腕を組むと言うよりは逃がさないように拘束している……涙目で俺を見上げてくる。

 あゆのこういう行動は可愛い、と思う。

 俺はまぁ色々あって今はあゆと付き合っていた。

 まぁ、ありがちなALLエンド後に、あゆと付き合い始めたと思ってくれ。

 だもんで、俺とあゆがデートをしているとよく邪魔が入るわけだ。

 たとえば、ちょっと俺とあゆが離れたスキに俺が拉致されたり、あゆが捕まったり。

 日に日に悪質になっていくのはお約束であったりする。

 だもんで、あゆは更に俺にぴったりくっつくようになり、名雪達の嫉妬心も燃え上がるわけで。

 悪循環である。

 けれどまぁ、俺もあゆを選んだ以上あゆにくっつかれるのは吝かではない。

 それに、いつ来るか分からない彼女たちの襲撃に怯えるあゆの表情に萌えていたりするのは秘密だ。

 どーもあゆは加虐心を誘っていけない。こー、なんとゆーか苛めたくなる。

 ま、とにかく。『祐一君はボクのもの』と言わんばかりにくっついてくるあゆが可愛くて仕方ないわけである。

 「ったく、あゆの恐がりは筋金入りだな?」

 「うぐぅ。いぢわるだよ祐一君……最近の名雪さん達ホントに怖いんだから」

 それは俺もそー思う。まるで、俺を掴まえよう、と言うよりあゆを驚かせようと言わんばかりに……はっ、もしかして名雪達もあゆ萌え!?

 いかん、いかんぞ。あゆ(の泣き顔)は俺のもんだぁぁぁぁぁぁっ!!

 っと、俺としたことが取り乱しちまったゼ。クールにいかなきゃな。

 「大丈夫だ。俺が守ってやるから」

 「ってゆーか、いつもさらわれるのは祐一君だよ……」

 俺は毎回さらわれるどっかのお姫様か……

 「じゃああゆ。俺を守ってくれ」

 「無理だよぉ……名雪さん達、ホントに怖いんだから」

 「うーむ。あいつらも、いい加減恋人作ればいいのになぁ……俺なんかよりいい男はいくらでもいるだろうに」

 「……そんなことないよ。ボクだって、名雪さん達と同じ立場だったら同じ事するかもしれないよ。祐一君よりいい人なんてそうそう見つかるはずないよ」

 ぬぅ。

 「照れるだろうが……お世辞はあゆには似合わないぞ」

 「う、うぐぅ!! お世辞じゃないもん。でなければ、名雪さん達があそこまで一生懸命ボクから祐一君取り返そうなんてしないと思うよ」

 う゛ーん……そりゃ嬉しいことだが……俺はもうあゆのもんだし。

 「そかそか。あゆはそんなに俺のことを想っていてくれたんだなぁ」

 ぐしぐしと頭を撫でる。

 「う、うぐぅ。恥ずかしいよ、祐一君」

 顔を赤くしながらもぽや〜とした表情でなすがままになっているあゆ。

 犬っぽい。

 「それで、これからどうする?」

 「うぐぅ……祐一君とふたりっきりでいられるところ。名雪さん達に邪魔されないような……」

 「ホテルか?」

 「う、うぐぅ!!」

 ぼんっ、と音が出そうなくらい真っ赤になるあゆ。こーゆー反応が初々しくていいよなぁ。

 「っくく……冗談だって。いくら俺でも真っ昼間から盛る気はないぞ」

 「!? 祐一君のばかぁ!!」

 あゆが俺の脇をつねってくる」

 「ったたた……やめろって、あゆ」

 俺がぽんぽんとあゆの頭を軽く叩くと大人しくなるあゆ。

 やっぱり犬ちっく。

 ……首輪付けてみたい衝動に駆られてしまうのは俺がダメ人間だからだろうか?

 「うぐぅ……でも、祐一君がそうしたいんだったら、ボクはそれでもいいけど」

 真っ赤になりながら言うあゆ。

 あーもう!! どーしてあゆはこんなに可愛いかなぁ?

 つーか、冷静に考えると俺たち見事にバカップルだね。

 「ぬぅ……」

 「あ、祐一君。真っ赤だよ」

 「なに?」

 「うぐぅ♪ 祐一君、照れた顔可愛いんだね」

 してやったりと満面の笑顔でそういうあゆ。

 クソ、あゆごときにおくれを取るとは……

 「あーゆー……そんなこと言う悪い子にはこうだぞっ♪」

 俺はあゆのほっぺをびにょーんとのばしてみる。

 「うふぅ……あにふるんだぉっ……」

 あ、なんか語尾が名雪っぽい。

 「をを、伸びる伸びる」

 びろーん。

 「……」

 無言で俺を睨み付けてくるあゆ。もー、可愛くて仕方がない。

 あぁ、もうこのまま人気のないところに連れ込んであーんなことやこーんなことをしちゃいたい気分だ。

 ……なんか、変質者っぽいな。俺。

 とりあえず、あゆを解放してやる。

 「うぐぅ!! 痛いよっ!!」

 「そーかそーか。悪かったな」

 俺は赤くなったあゆのほっぺにむにむにと撫でる。

 うむ、なかなか面白い顔だ。

 「うぐぅ……」

 結局なすがままのあゆ。

 「……ね、祐一君。やっぱり行こうよ」

 「ん、何処にだ?」

 「……ホテル」

 ぐはっ!!

 ぴたっ、と俺にくっついて顔を俯かせながら言うあゆに、俺はもうダメダメだった。

 「そ、そうだな」

 「あそこなら、名雪さん達に邪魔されないし……もっと祐一君とくっついていられるしね」

 しし、辛抱たまらんですたい!!

 俺はあゆをお姫様だっこして走り出した。

 「う、うぐぅぅぅぅぅぅぅ、恥ずかしいよ祐一君!!」

 「俺も恥ずかしいっ!! けど、あゆが悪いんだぞ。あんなこと言うんだから」

 なんかもー、あゆをメチャメチャにして俺のものだって証拠をその体に刻みつけたくてたまりません。

 「うぐぅ〜、何か祐一君の目が凄く嫌だよぉ〜」

 「はっはっは、そんなこと言うとお仕置きしちゃうぞ♪」

 「うぅ……祐一君が壊れたよ……」

 失礼な。

 等と、走りながら会話しているうちに、あっというまにホテルに着いてしまった。

 「さ、逝くぞ。あゆ」

 「うぐぅ、字が違う……」





 んで。たっぷりしっぽりとあゆの体を堪能したころにはどっぷりと日も暮れていた。

 「うーむ……流石にやりすぎたか」

 「うぐぅ……足腰立たないよ」

 あゆは俺の背中に負ぶさってホテルから出てきた。

 どーにもハッスル(死語)しすぎたらしい。

 「はっはっは」

 とりあえず、笑ってごまかす。だって、しているときのあゆの顔がまた可愛くて……

 やっぱり、俺はあゆにラブラブであるなぁと実感する。

 「うぐぅ……でも祐一君の背中、暖かいね」

 「冷たかったら死体だ」

 「うぐぅ、そういう意味じゃないよぉ」

 分かってはいるが、そうやって苛めたくなってしまうのがあゆなのだから。

 「分かってるって、背中にあたる小さい二つの山の感触もいい感じだぞ♪」

 「う、うぐぅ!! 小さいは余計だよっ!!」

 怒ってぐいぐい体を押しつけてくるあゆ。うーむ、やっぱり良い感触。

 だが、やがて静かになるあゆ。

 「すぅ……」

 どうやら、眠ってしまったらしい。

 あゆも疲れたようだ。

 俺は、首筋にあゆの寝息をくすぐったく感じながら一人でくすくす笑っていた。

 コイツがいれば俺は幸せだ。それを実感していた。

 何故だろう、こいつは俺の心を捕らえてはなさない。

 「お前は……何なんだろうな?」

 「……ボクは、祐一君のために生きてる、ただの女の子だよ」

 「……起きていたのか?」

 「ん」

 「じゃあ、俺はお前のために生きるただの男か」

 「うん、ボク達はお互いのために生きてるんだね」

 「あぁ……そうかもな」

 どっちが欠けても、意味をなさない。そんな半人前の二人なのかもしれない。

 だからこそ、一緒にいたい。そう思う。いつまでも。





 で、結局。

 うちに帰ってからも、俺とあゆは俺の部屋で一晩中いちゃいちゃしておりました。

 秋子さんに『若いって良いわね』って言われたのはちょっと恥ずかしかったです。





いいから終われ


後書け

 何が言いたいのか、何が書きたいのか分からないあゆSSです。
 えーと、頂いたSSへのお返しSSってことで。
 やまもいみもおちもないSSですが。よろしければ、どうぞ。
 ホント……こんなSSでごめんなさい(ぺこぺこ)