超時空氷菓子娘しおりん劇場版

アイス・おぼえていますか。

前編


書いた馬鹿  かっち@十月三日で二十歳さん

































夢。































夢を見ている。




























たまたま見る夢。





























何かこう、生きている事が嫌になる夢。






























CAPCON。





























ストリートファイターの次回作で。
































ダルシムが。
















































ズームネックアタック。












































悲しかった。































彼はもう人類の手の届かない所まで逝ってしまった。































悲しくて。





























泣きたくて。































でもどうする事も出来なくて。































ますますヨガが誤解されてしまって。































遠泳なんて無かったんだ。























































札幌の学校の体育には。


































『痣〜、痣だよ〜。両親に虐待されてトラウマになるよ〜』

かちっ!

「……何て嫌な目覚ましなんだ」

 朝っぱらから最悪の目覚めを提供してくれた時計だった。この時計、従妹の少女がくれた物で、包丁を突き立てられて臓物を撒き散らしている電気ネズミを象った逸品だ。見る度に何かこう、2ちゃんねるに逝きたくなるようなフォルムでナイスだった。何でもこの目覚まし時計、時計屋に売っていたのをスモークディスチャージャーを撃ち込んでその隙に略奪して来たらしい。初めから汚れている。

「ふわぁぁぁ」

 大きく欠伸を一つ、身体を伸ばす。
 俺は相沢祐一。またの名を相沢祐一と言う。たまに人から相沢祐一に似ていると言われるが、それはこちらにしてみれば心外で、俺としてはどちらかと言うと相沢祐一の方に似ているのではないかと思う。
 それはともかく。

「……何か、凄い夢を見ていたような気がするな」

 こう……何と言おうか、二度とインドのヨガマスターなんて使ってやるもんかと思わずにはいられない悪夢だったような。はて、何だっただろうか。
 ……ま、良いか。所詮は手足が長いだけのレシオ1キャラだしな。
 いつまでも思い出せない夢には区切りを付けて、上半身だけ起こして窓から差し込んでくる朝の陽光に身を晒す。すると身体がどんどんと灰に変わって行く。吸血鬼に日光は大敵だ。ついでに言うと水も大敵だ。アルカードでさえ、魔導器『ホーリィシンボル』を取るまでは水でダメージを受けるからな。
 いい加減太陽の光が肌に痛いので、念動力でカーテンを閉める。サイコドライバーである俺にはこんな芸当、イージーオペレーション(朝飯前)って奴だ。
 そして一転して薄暗くなった室内を見回して、ふと気付く。

「……何故俺の隣に裸の栞が寝ているのだろう」

 すうすう、と可愛らしい寝息を立ててアーガマのカタパルトデッキよりも起伏の乏しい胸を上下させている、一人の少女。ショートボブの髪に抜けるほど白い肌に華奢な身体付き。力仕事に深夜の散歩に怪物料理の名コック。
 その娘は見紛う方なく、俺の恋人兼愛人兼情人の美坂栞だった。
 はて、どうして栞が真っ裸で俺と一緒のベッドで寝ているのだろうか。

「…………そう言えば」

 待て待て。だんだん思い出して来た。記憶の扉がアバカムで開かれる。
 そうだ、確か昨日。学校帰りに寄ったレンタル店で借りて来た「殻の中の小鳥」を見ている最中、体育でやったもんがーダンスの疲れもあってか、猛烈な睡魔に襲われたんだ。こりゃ辛抱堪らんと思って素早くベッドに潜り込んだ所で――

「窓ガラスを蹴破ってこいつが夜這い仕掛けに来たんだっけな」

 因みに割れた窓ガラスは『我は癒す斜陽の傷痕』で治しておいた。
 で、その後、二人で獣のようにまぐわったんだよな。「今日は危険日ですから好きなだけ中に出して良いですよ」などと言う訳の解らない理屈に誘われるままに、抜かずの十連発。いやあ、認めたくないものだな若さ故の過ちというのは。さすがに腰が痛いよ。
 胸は絶望的なまでに抉れているが感度は宜しいようで、しっかりと愉しませて頂いた。で、そのまま二人して微睡んで行ったのであるな、これが。
 それにしても。性格の破綻している超暴力娘の栞だが、こうして寝ている時の顔はまるで天使のように可愛いな。安らかなスリーピングフェイスだけ見ると、とてもじゃないが背部にサテライトシステムや腹部にトリプルメガソニック砲を隠し持っているとは思えない。
 ふと、悪戯心が首をもたげた。幸いにして彼女は良く眠っている。つまりは、何をしても万事おっけいと言う事である。これは美味しい状況だ。にやそと笑い、俺は人差し指を立てて栞に向けた。

ふにふに。

「えぅ……」

 色っぽく少女は言葉を洩らす。誤解しないように言っておくが、俺が突付いたのは胸ではなく頬だ。さすがにこのSSまでおガキ様お断りにするつもりは毛頭ないのでな。

むにむに。

「ん……ゆういちさん……」

 か、可愛い。これはいかん、理性が。
 名雪もかくやの糸目で寝言を呟く栞は、確実に心の琴線に触れるぷりちぃさであった。これは麻薬だな、やればやるほど、次を求めてしまう。

ぷにぷに。

「ざ……」

 ざ?

「……ザラキ」
「なにゃああっ!?」

 少女の可憐な唇から紡がれた「力ある言葉」が漆黒の矢となって俺の胸に突き刺さる。亡びの呪文、死の宣告。敵一グループを即死させる僧侶系最上位呪文の一つである。ガンガンいこうぜにするとこれしか唱えないクソ馬鹿な物狂い神官がいたのを刹那に思い出す。マホカンタ唱えたデスピサロにも放つものだから、跳ね返ってパーティ全滅。
 と、その紡がれし破滅の旋律が俺の命の灯火を消そうかとする瞬間。いや、正確には俺の命の灯火が完全に消えた瞬間。天から眩いばかりの暖かな光が降りて来て、この身体を包み込んだ。すると俺の肉体は原子レベルから再構築されて、数瞬後にはいつもの健全な姿に戻っていた。

「……そう言えば召喚獣戦とエボン=ジュ戦はオートリレイズだったな」

 改めて思い出す。既に俺は究極召喚ジェクトを倒していたのだった。攻撃二発で。

「ん……ふあああ……あれ? 祐一さん?」
「起きたか、カラミティエンジェル」

 寝言で即死呪文放ちおってからに。

「あ、おはようございます。昨日は激しかったですね」

 さらりとX指定に戻しそうな会話を振る彼女。あれだけ犯っても栞はちっとも堪えていないようだった。全般的に女性の方が負荷に耐え易い身体構造をしていると言われるが、彼女を見ていると本当にそう思えて来る。
 ……となると次回は縛りもOKだな。メモメモ。

「ん〜。今日も良い天気です〜」

 こきこき、と首を左右に傾けて軽い音を鳴らす。因みにまだ全裸なので、しっかりと胸が露になって非常に見晴らしが良かった。

「ところで栞」
「はい?」
「お前の横な」
「はい」
「それ、香里だよな」
「はい。私も薄々感付いてました」

 恋人から同意を得られた所で、彼女の傍らを見る。
 栞の腰にしがみ付いて口を半開きにして眠っている、髪の長い少女。天然だろうか、その御髪にはウェーブが掛かっていた。栞と比べて格段に大人らしい顔立ちをしていて、その美貌は間違いなく同年代でもトップクラスに入る娘。
 言わずもがな、栞の姉の美坂香里である。が、そんな事はどうでも良い。問題提議すべき点は、どうして水瀬家の、しかも俺の部屋に、この若年増が存在しているのだろうか。確かこの家、時の狭間に位置しているからエターナルソードがないと現世に引き摺り出せないのではなかったか。となると栞もここへ入れないのかと言う疑問があるが、彼女は空間翔転移を会得しているから問題なかった。しかもHPが減ったら冥空斬翔剣のおまけ付き。
 それはともかく。同じ布団に、一人の男と二人の女。しかも二人は美少女姉妹。更に片方は全裸、お〜るぬ〜ど。このようなシチュエーションならば、平々凡々の男子ならば悶絶ものであろう。しかしそこは美坂姉妹。合体技『ソルナールオーバードライブ』で都庁を灰燼と化した事のある彼女達に迂闊に手を出せば、そこから始まるジェノサイドカーニバル。命の保証はない。ただでさえ、日常こいつらと付き合っているだけで瀕死の重傷をコンスタントに負っているのだから。如何に俺が『フェイルセイフ』の能力を持っていようと、回避すべき事態なのだ。
 ま、それはこっちに置いといて。

「何で香里がここに?」      フーヤオチェン
「……ちっ。お姉ちゃんめ、私の縛妖陣を乗り越えましたか」
「……姉に対する妹の気遣いは」
「駄目ですよ祐一さん。お姉ちゃんには身の程を弁えてもらわないと」

 とまあ、こう言う性格の少女なのだった。例え肉親であろうと、邪魔する奴は指先一つでダウンさ。彼女の犠牲になった人間は枚挙に暇が無い。例えば香里だったり香里だったり香里だったり。或いは俺だったり俺だったり俺だったり。実にバリエーション豊かな被害者層だろう?

「……大体お姉ちゃんはですね、何かっつ〜と事ある毎に私の将来の旦那様にちょっかい出して来やがるんですよ。祐一さんと処女と童貞を交換し合ったのは私なのに。お姉ちゃんみたいな阿婆擦れは雨に打たれてクソひり倒して寝てりゃ良いんです」

 凄いぞ栞。清純なヒロインの片鱗すらない台詞回しにはただただ尊敬だ。一転して陵辱ゲームに出演出来そうだぞ。『蒐集家』とかな。
 それはともかく、いつまでもこの態勢のままいる訳にも行かない。今日は休日とは言え、時間が惜しいからな。
 ベッドに散らばっていたブラジャーとショーツを着けている栞を尻目に、香里を起こす事にする。呼吸の為に上下している豊かな双丘をおもむろに握り、左右に揉みしだく。

「お〜い、起きろ香里〜」

もみもみ。

「ん……」

 お、起きたか。さすがにこの方法は効くな。本音を言えばこのまま眠りから覚めてくれなくても良かったが、これ以上揉むと今度は俺の方が栞に犯されそうで怖かった。
 姉妹揃ってそっくりな糸目が薄っすらと開き――刹那に見開かれた。

ジャブロー殲滅の夢を砕いてくれた礼だっ!」
「ぐはああぁぁっ!?」

 天を揺るがす怒号と共に、香里の胸部から大口径メガ粒子砲が放たれる。焦点温度数千度、岩の沸点すら優に超える灼熱の金属粒子が収束し、一筋の流星となって襲い来る。逸早く察して回避行動に移ったが、油断していたのもあったのだろう、完全には躱し切れずに左腕が千切れ飛んだ。
 俺の機体腕部を損壊させても何ら威力を削がれる事もなく、メガ粒子は天井に突き刺さり、ビームコーティング処理された材質を蒸発させる。ぽっかりと空いたギアガの大穴から、陽光が燦燦と降り注いだ。
 とにもかくにも、吹き飛んだ左腕が心配だ。横を見ると栞はすっかり着替えを終えたようで、熱光学迷彩を施したストールも羽織っている。そんな彼女に、俺は告げた。

「栞、俺の腕を持って来い。スチュワーデスがファーストクラスの客に酒とキャビアをサービスするようにな!

 気分はもうDIO様である。
 その後、左腕を再生させた俺は香里と相対する。彼女の胸からは再び粒子が収束し、今か今かと発射の瞬間を待ち望んでいるようにも見えた。

「フル出力で本体(?)ごと私達を吹き飛ばすつもりです!」

 その切迫した恋人の声に、俺は刹那に逡巡した結果――決断した。背部スラスターを全開にし、重水素の引火による爆発的な推進力が身体を前方に押し出す。

「栞! 姉さんを殺すっ! もう手段は選べないっ!」
「……さよなら、お姉ちゃん」
「私の夢……受け取れぇっ!」


 三人の思いと言葉が交錯し――
 俺の裂帛の気合と共に放たれた本当の正拳が香里の胸にめり込み。
 香里の胸部のメガ粒子砲も発射されて俺の下半身を溶解させた。





「ふわあああああ〜」
「おっきな欠伸ですね」

 目尻に涙を浮かべながら階段を降りる俺と、生涯の伴侶として随伴する栞。
 先ほどは朝っぱらから激闘させられたが、そのお陰で最近の運動不足は解消されたので、まあ結果オーライと言う奴だった。
 因みに香里は今頃、栞によって宇宙空間に飛ばされて、何とか戻ろうとするもどうする事も出来ずにやがて考えるのを止めたと言った所だろう。
 まあ、甘美な敗北を堪能した奴にはもう用は無い。忘れる事にしよう。

「おはようございます」

 居間の扉を開けて、開口一番。するとキッチンから秋子さんが穏やかな表情で現れた。右手に血の滴る包丁を握り、左手は頬に添えると言うお決まりのポーズだ。

「あら、おはようございます。昨日は栞ちゃんとお楽しみだったんですね」
「はい〜。祐一さんたら素敵でした。色んな角度から私を」

 うっとりとした表情で答える栞。夢見心地のその瞳はテンパっていた。見る者が見れば非常にイタイであろう。訳もなく俺の脳裏に月島瑠璃子と言う全く聞いた覚えの無い名前が過ぎる。が、敢えてそれは無視した。

「もうすぐご飯出来ますから、少し待っていて下さいね」

 そう言って、秋子婦人は来た道を戻って行く。彼女のプロ脱帽の料理の腕前を思うと、弥が上にも期待感が高まる。ぐう、と今更ながら空腹感を自覚した。さて、今日の朝食は一体どんな献立かな。盗み見するのも何なので、聞こえて来る音で何かを判断する事にする。
 どれどれ。

『や、止めてくれぇっ! ジュネーブ協定違反じゃないかっ!』
『あらあら。私がそんな事を守るとでも? それに……』
『そ、それに……?』
『初めから死んでいたのなら、捕虜ではありませんよねぇ?』
『ひ、ひぃぃぃっ!!』


「…………」

 どうしてまな板や食器の音の代わりに話し声が聞こえて来るのだろう。しかもその次の瞬間に響いた断末魔と鋭利な何かで肉を切り裂いたような『ぶしゅううう』とか言う怪音は一体。
 果たして、秋子さんは何をしているのだろうか。
 そして、朝食には何が出て来るのだろうか。
 考えれば考えるほど怖い想像に行き着くので、頭を振って無理矢理忘れた。
 気を取り直し、居間を見回す。すると今まで気付かなかったが、名雪がテレビにPS2を接続してゲームをやっていた。栞はソファーに座って信長の野望アドバンスをやっているし、何となく手持ち無沙汰なので名雪のプレイを監察する事にする。

「よ、何やってんだ?」
「あ、祐一。新しいの買ったんだお〜」
「どれどれ」

 ブラウン管の中では、スワローズのユニフォームを着た球界一の名捕手、古田敦がバットと硬球を駆使してジャイアンツのユニフォームを着た外人の群れをバッタバッタと撲殺していた。

「…………何だ、これ」
「『ダリル・メイ・クライ』だお〜」

 差し出されたパッケージを受け取り、見てみる。古田を駆使し、迫り来る巨人の投手D・メイを退治するスタイリッシュ・ハードアクション。さすがだCAPC○N、モータルコンバット以上にヤバげな内容の、確実に肖像権と人権をど真ん中に侵害するゲームを思い切って出すとは。
 ふと、パッケージに貼られている赤い三角のシールに目が行く。

『このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現しか含まれていません』
「…………」

 CAPC○N様。俺は今、心の底から御社に敬意の念を抱きました。もう足向けて寝られません。

「お待たせしました。ご飯にしましょう」

 そこで秋子さんが登場。
 お盆の上には、何の変哲も無いハムエッグ。先ほどのは幻聴だったのだろうか。

「お母さん、昨日の捕虜は?」
「うふふ。敵国に掛ける情けはないのよ」

 ……一体ここは何処だろう。
 その後、俺達は叔母様が用意して下さった朝食を美味しく頂いた。
 ハムエッグには既に不自然に赤いケチャップが掛かっていて、何か鉄分臭い味がしたのは気のせいであろう。




「なあ、栞」

 朝食も終えて食後のくつろぎの中で、ふと恋人に話を振る。

「はい? 何ですか?」

 名雪とG−ジェネFで対戦していた栞がこちらを向く。因みに名雪軍の編成はサイコハロ二十機。鬼である。対する栞軍は、GP−02A三十機。もっと鬼である。

「せっかくの休みなんだから、外へ出ないか?」
「デートですか?」

 途端に瞳をきらきらと輝かせる栞。その笑顔を見ていると柄にも無く、むず痒いような照れ臭いような、甘い疼きを感じる。青春真っ盛りって感じだ。

「おう、デートだ」
「お泊りですか、それともご休憩ですか?」

 お前の頭の中にはそれしかないのか。

「楽しみです〜。祐一さんと、野外プレイ」

 いや、それはそれで犯ってみたくもあるが。
 とにかく、発情した恋人の脳天に六波返しをかまし、頭蓋骨の縫合を外して大人しくさせた。

「とにかく、行くぞ」
「イクんですか? 待って下さい、私はまだ」
「あんまフザケてっと海外に売り飛ばすぞ」
「えぅ〜」

 しゅんとした栞。こうして見るとごく普通の女の子だ。内面ではスカウターが壊れてしまうような戦闘力を誇っていても、外見ではそれを推し量る事は出来ない。もっとも、それが栞の狡猾な面であるのだが。
 そんなこんなで、今日もこうして何気ない一日が始まるのだった。













悲しいけどこれ、後書きなのよね!


は〜い、かっちだよぉ。
お元気ですか? かっちはもう駄目です。
だからこんなヘタレなSSをお贈りするハメに。
しかも前後編。何故だ。
後編はまたいずれ。気長に待っていて下さい。
って言うか、こんなSS捨てて頂いて結構です。
じゃあそんな駄作贈るなよ、とか言わないでね。

そんでわ、またお会い出来る日を楽しみにしておりますですよ。